
ホットペッパーのクーポンは何個が正解か — 上位1,494店を実際に数えた
ホットペッパービューティーに掲載されているクーポンの数は、口コミ件数上位1,494店の実測で中央値43個だった。ただしこの数字は店の規模で大きく変わる。スタッフ1〜2人の店では中央値27個、8〜10人の店では52個。よく言われる「5個前後が理想」に当てはまる店(5個以下)は全体の0.2%、1,494店中3店しかなかった。規模が最も小さい層で見ても、実際の掲載数は通説の5倍以上ある。
ホットペッパーのクーポンは何個が正解か
実際に掲載されている数の中央値は43個。美容室62個、まつげ58個、ネイル36個、エステ36個、リラク29個。5個以下の店は1,494店中3店(0.2%)だった。
「クーポンは何個くらい載せるべきか」という問いに対して、ウェブ上でよく見かけるのは「5個前後」という数字である。これが実際の掲載状況とどれくらい合っているのかを、掲載ページを直接数えて確かめた。
| ジャンル | 店数 | 中央値 | 下位25% | 上位25% | 5個以下の店 |
|---|---|---|---|---|---|
| 美容室 | 299 | 62個 | 49個 | 76個 | 0.0% |
| まつげ | 300 | 58個 | 42個 | 101個 | 0.0% |
| ネイル | 297 | 36個 | 24個 | 50個 | 0.3% |
| エステ | 299 | 36個 | 24個 | 53個 | 0.0% |
| リラク | 299 | 29個 | 22個 | 37個 | 0.7% |
| 合計 | 1,494 | 43個 | — | — | 0.2% |
ジャンル別・クーポン掲載数(2026年7月時点、口コミ件数上位約300店/ジャンル)
下位25%の店でも、美容室なら49個を掲載している。つまり「掲載数が少ない側」の店ですら、通説の10倍近い数を出していることになる。
自分の店の規模だと、いくつが普通なのか
掲載数は店の規模で大きく変わる。スタッフ1〜2人の店は中央値27個、8〜10人の店は52個。全体の中央値43個は、規模の大きい店に引き上げられた数字である。
上の表はジャンル別の数字だが、これだけでは「うちは小さいから当てはまらない」という読み方ができてしまう。そこで各サロンページに掲載されているスタッフ数を取得し、規模で分け直した。
| スタッフ数 | 店数 | 中央値 |
|---|---|---|
| 1〜2人 | 173 | 27個 |
| 3〜4人 | 375 | 41個 |
| 5〜7人 | 501 | 46個 |
| 8〜10人 | 247 | 52個 |
| 11人以上 | 166 | 49個 |
スタッフ数別・クーポン掲載数(全ジャンル合算、2026年7月時点)
最小の層と最大の層で約1.9倍の開きがある。規模の影響は確かにある。それでもスタッフ1〜2人の店の中央値は27個で、通説の「5個前後」の5倍以上にあたる。規模を考慮しても、掲載総数を5個まで絞っている店は実質的に見当たらない。
ホットペッパー側が付けている規模の条件表示で見ても、同じ傾向になる。自分の店のページにどの表示が出ているかで、下の表のどの行を見ればいいかが分かる。
| ホットペッパー上の表示 | 店数 | スタッフ数の中央値 | クーポン中央値 |
|---|---|---|---|
| 3席(ベッド)以下の小型サロン | 343 | 3人 | 30個 |
| 10席(ベッド)以上の大型サロン | 112 | 10人 | 44個 |
| 15席以上の大型サロン | 39 | 12人 | 56個 |
ホットペッパーの規模区分別・クーポン掲載数(全ジャンル合算)
「5個前後」という数字はどこから来たのか
出所をたどると、クーポンを新規向け・リピート向け・単価アップ向けの3つに分類し、各1〜2個ずつ選ぶという手順から導かれた数字だった。実測データに基づくものではない。
分類ができたら、各軸から1〜2個ずつ選びます。合計5個前後が理想のクーポン数です。
ウェブ上のホットペッパー集客ノウハウ記事より(2026年7月時点)
3軸 × 1〜2個 = 3〜6個、だから5個前後。計算としては筋が通っているが、実際の掲載状況を数えた形跡はない。この種の数字は他の記事でも繰り返し見かけるが、いずれも根拠の提示がなかった。
では「絞ったほうがいい」は間違いなのか
間違いとは言えない。「掲載する総数」と「上位に何を置くか」は別の話であり、通説はこの2つを混同している可能性が高い。実測が否定しているのは前者だけである。
ホットペッパーのクーポン欄には並び順があり、閲覧者が実際に目にするのは上のほうの数個に限られる。「絞る」という助言が上位に置く数の話であれば、実測とは矛盾しない。一方、掲載する総数を5個まで削ることを勧めているなら、上位店の実態とは大きく食い違う。
掲載数が多い理由については、フリーワード検索でヒットする窓口を増やす狙いがある、という説明が考えられる。ただしこれは検索の挙動とクーポン数の関係を実測したものではなく、現時点では仮説にとどまる。この記事で事実として言えるのは、上位店が実際に何個掲載しているかという数字までである。
この数字の読み方と限界
対象は口コミ件数が多い店であって、売上や集客力で選んだ店ではない。また掲載数と予約数の関係は測っていない。
- 母集団は各ジャンルの口コミ件数上位およそ300店。口コミ件数は来店数の代理指標にはなるが、優良店の判定ではない。
- 数えたのは掲載ページ上のクーポン件数であり、実際にどれが予約されたかは含まない。掲載数が多いほど予約が増える、という因果はこのデータからは言えない。
- 2026年7月時点の断面。ホットペッパー側の仕様変更や季節要因で変動しうる。
- 規模はスタッフ数で分けているが、これは掲載ページ上の記載であり、実際の稼働人数とは一致しないことがある。
- 美容室のスタッフ1〜2人の層は、この母集団にはほとんど含まれていない(1店のみ)。口コミ件数の上位で抽出している以上、小規模の美容室は構造的に入りにくい。規模別の数字は全ジャンル合算でのみ示している。
同じ手順で数え直せるよう、母集団の条件と取得時期をこのページに明記しています。数字に疑問があればご指摘ください。
よくある質問
- ホットペッパービューティーのクーポンは何個載せるのが普通ですか?
- 口コミ件数上位1,494店の実測では中央値43個でした。ジャンル差が大きく、美容室は中央値62個、リラクは29個です(2026年7月時点)。
- 美容室のホットペッパーのクーポン数の平均は?
- 口コミ件数上位299店の実測で、中央値62個、下位25%の店でも49個、上位25%の店で76個でした。
- 小さいサロンでもクーポンは何十個も必要ですか?
- スタッフ1〜2人の店の中央値は27個、ホットペッパー上で「3席以下の小型サロン」と表示されている店では30個でした。規模が小さいほど少なくはなりますが、それでも通説の「5個前後」の5倍以上です。
- クーポンは5個前後に絞るべきという話は本当ですか?
- 掲載する総数の話であれば、実測とは合いません。5個以下の店は1,494店中3店(0.2%)で、規模が最も小さい層に限っても中央値は27個です。ただし「上位に表示させる数を絞る」という意味であれば、掲載総数の実測とは矛盾しません。
- クーポンを増やせば予約は増えますか?
- このデータからは言えません。数えたのは掲載数であり、予約数との関係は測っていないためです。
データについて
ホットペッパービューティー掲載ページの公開情報を2026年7月に取得。美容室・ネイル・まつげ・エステ・リラクの5ジャンルが対象。抽出条件は「口コミ件数が一定以上、かつブログ本数が一定以上」(美容室は各300、他ジャンルは各150)を満たす店で、そこから口コミ件数の多い順に、大都市・中都市・地方都市の各区分ごとに100店ずつ、1ジャンルあたり300店、計1,500店。うちクーポン掲載ページを最後まで取得できた1,494店を集計した。店の規模は各サロンページのスタッフ数と、ホットペッパー側が付与している「◯席以下の小型サロン」「◯席以上の大型サロン」の条件表示による(規模まで取得できたのは1,462店)。掲載店から機械的に抽出したものであり、優良店を選別したものではない。
